金融工学

金融の実務では、時系列の性質を踏まえた予測と、リスクの管理、監査や検証への対応が一体で求められます。このテーマでは、ポートフォリオ最適化のページに収まらない金融応用として、金融時系列データの解析や、平均分散を制御する強化学習、統計的な保証を持つ監査サンプリングを扱います。みずほ第一フィナンシャルテクノロジーでの業務と重なりの大きい研究領域です。

扱う問題

金融時系列は、定常とみなせない変動やレジームの変化を含み、教科書どおりのモデルをそのまま当てはめると失敗します。共著書『Pythonによる金融時系列データ解析』では、データの前処理からモデルの選択と検証までを、実装とともに整理しました。強化学習を投資に使う研究では、収益の平均だけでなく分散も制御の対象に含める定式化を提案しています。また、財務諸表の監査で標本をいくつ調べれば十分かという実務の問いに、逐次検定として統計的な保証を与える研究を進めています。

研究の系列

2026年
Sequential Audit Sampling with Statistical Guarantees。監査サンプリングへの統計的保証。
2021年
Direct Expected Quadratic Utility Maximization for Mean-Variance Controlled Reinforcement Learning(IEEE CIFEr)。平均分散を制御する強化学習。
2020年
Mean-Variance Efficient Reinforcement Learning with Applications to Dynamic Financial Investment。同系統の初期の定式化。

先行研究との関係

平均分散という基準そのものは、Markowitz の平均分散分析(1952年、Portfolio Selection)に遡ります。平均分散を制御する強化学習の研究は、この基準を逐次的な投資決定へ持ち込んだものです。個々の研究と文献の関係は、ポートフォリオ最適化異常検知の各ページで説明しています。

ビジネスとの接続

金融機関でのモデル開発とその検証、時系列データを使う予測業務の設計、監査やリスク管理への統計的手法の導入といった仕事に、この領域の研究がそのまま使えます。金融データの解析に関するご相談はお問い合わせフォームで受け付けています。

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