ポートフォリオ最適化

将来の収益を当てる予測モデル自体が外れうる以上、ポートフォリオの選択には予測の不確実性まで織り込む必要があります。このテーマでは、予測区間の構成と複数モデルの統合を通じて、予測と投資配分を結びつける方法を研究しています。代表的な成果は Conformal Predictive Portfolio Selection(Kato, 2024, arXiv:2410.16333)です。

扱う問題

平均分散アプローチに代表される伝統的なポートフォリオ選択は、収益の平均や分散といった分布の情報を、過去データから推定して使います。その推定を担う予測モデルには当然誤差があり、点予測だけに頼った配分は、モデルの外れ方に無防備になります。私たちは、コンフォーマル予測でポートフォリオ収益の予測区間を作り、区間に基づいて配分を選ぶ枠組みを設計しました。自己回帰モデルからランダムフォレスト、ニューラルネットワークまで、予測モデルを問わずに使えます。

複数の予測モデルをベイズ的に統合してから配分を決める予測統合の研究や、平均と分散を制御しながら学習する強化学習の研究も、この系統に含まれます。

中心となる研究

Conformal Predictive Portfolio Selection のページで、予測区間の構成方法と、区間に基づく選択の設計を説明しています。

研究の系列

2024年
Bayesian Portfolio Optimization by Predictive Synthesis。複数の予測モデルをベイズ的に統合して配分を決める研究。
2020年
Mean-Variance Efficient Reinforcement Learning with Applications to Dynamic Financial Investment。平均分散基準での強化学習の定式化。

先行研究との関係

ポートフォリオ選択の出発点は Markowitz の平均分散分析(1952年、Portfolio Selection)です。一方、分布を仮定せずに予測区間へ有限標本の保証を与えるコンフォーマル予測は、時系列や分布シフトの下でも Gibbs と Candès の適応的手法(2021年、Adaptive Conformal Inference Under Distribution Shift)などで使えるようになってきました。私たちの研究は、この二つの流れをつなぎ、予測モデルの不確実性を保証付きの区間として配分の決定に渡します。

ビジネスとの接続

予測モデルの導入や更新にあたって、その予測がどの程度信頼できるか、外れたときに配分がどう振る舞うかを評価したい、という運用上の課題を想定しています。資産運用やリスク管理の枠組み設計に関するご相談は、お問い合わせフォームからお送りください。

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