Conformal Predictive Portfolio Selection
Conformal Predictive Portfolio Selection(CPPS)は、将来のポートフォリオ収益を予測し、その予測区間をコンフォーマル予測で構成し、区間に基づいて配分を選ぶ枠組みです。収益の点予測だけに頼る選択と違い、予測モデル自体の不確実性を配分の決定に織り込みます。
研究が扱う問題
平均分散アプローチや分位点に基づくアプローチなど、ポートフォリオ選択の多くの方法は、収益分布の情報を過去データから予測モデルで推定して使います。その予測には誤差があり、誤差の大きさもモデルによって異なります。予測が外れたときにどの程度の損失がありうるのかを踏まえずに配分を決めると、モデルの不確実性に無防備な選択になります。
提案した方法
候補となるポートフォリオごとに将来収益を予測し、コンフォーマル予測で予測区間を計算します。そのうえで、点予測ではなく区間に基づいてポートフォリオを選びます。コンフォーマル予測は予測モデルの中身を問わないため、自己回帰モデルやランダムフォレスト、ニューラルネットワークなど、幅広い予測モデルと組み合わせられます。
主な結果と成立条件
自己回帰モデルと組み合わせた実装で枠組みの有効性を確認し、実証分析でその振る舞いを検証しました。コンフォーマル予測の被覆保証は、データの交換可能性などの条件に依存します。金融時系列は分布が変化するため、実運用では区間の妥当性を継続的に確かめながら使うことが前提になります。
先行研究との関係
ポートフォリオ選択の理論は Markowitz の平均分散分析に始まります(1952年、Portfolio Selection)。一方、分布の仮定なしに予測区間へ保証を与えるコンフォーマル予測は、分布が変化する時系列の下でも Gibbs と Candès の適応的な方法(2021年、Adaptive Conformal Inference Under Distribution Shift)などによって使えるようになってきました。この研究は、この二つの流れを組み合わせ、予測の不確実性を保証つきの区間としてポートフォリオ選択に接続した点が新しい貢献です。
利用できる状況
収益予測モデルを運用に使っており、予測の当たり外れが配分に与える影響を管理したい場面を想定しています。モデルを問わない構成のため、既存の予測パイプラインに後付けで組み込めます。
論文と資料
BibTeX
@inproceedings{conformal-predictive-portfolio-selection,
author = {Masahiro Kato},
title = {Conformal Predictive Portfolio Selection},
year = {2024},
booktitle = {JAFEE 2024 Winter Meeting},
eprint = {2410.16333},
archivePrefix = {arXiv},
url = {https://arxiv.org/abs/2410.16333},
}
関連する研究テーマ
公開日: 2026年7月22日。最終確認日: 2026年7月22日。